なぜ気圧が下がると首肩こりが起こるのか？

私たちの体は常に「気圧」という空気の圧力を受けながら生きています。
この気圧が下がると、体内にある内耳（前庭系）や血管の圧受容器が敏感に反応します。
これらのセンサーが「気圧が変わった」と感知すると、脳幹にある前庭神経核に信号が送られ自律神経のバランスを調整しようとします。

しかし、急な気圧変化が続くと、脳幹や視床下部などの神経中枢が過剰に刺激され、交感神経が優位になります。
交感神経が優位になると筋肉が緊張し、血管が収縮してしまうため首肩の筋肉が硬くなり、こりや重だるさ頭痛が起こるのです。

このように、気圧変化による首肩こりは「神経系の誤作動」によって引き起こされているといえます。

首肩こりと脳・神経の深いつながり

内耳から送られる気圧情報は脳幹の前庭神経核を経由し、三叉神経核・迷走神経核・視床下部と連動しています。
これらの神経は、体のバランス・血圧調整・自律神経・痛みの感受性などをコントロールしています。
つまり気圧の変化は“首肩の筋肉”だけでなく、“脳と神経の働き”にも影響しているのです。

さらに首肩こりは、脳幹を通じて痛みを感じるシステム（下行性疼痛抑制系）にも関与します。
気圧変化による神経過敏状態では、この痛みを抑える機能が弱まり、普段よりも痛みを強く感じやすくなります。
「気圧が下がると首肩こりがひどくなる」「何となく体が重い」と感じるのは、この神経的メカニズムによるものです。

首肩こりが天候で悪化しやすい人の特徴

・雨や曇りの日に首肩こりや頭痛が強く出る
・天気が崩れる前に体がだるくなる
・気圧変化でめまいや耳鳴りが出やすい
・季節の変わり目に体調を崩しやすい
・常に首や肩に緊張感がある
これらは、自律神経や前庭神経が過敏になっているサインです。
現代人はスマホやPC、ストレスによる交感神経優位が続いており、特にデスクワーク中心の方はこの反応が強く出やすい傾向にあります。

気圧変化による首肩こりを和らげるセルフケア

天気による首肩こりを軽減するには、神経の興奮を鎮め血流を改善することが大切です。
以下のケアを意識して行うと、自律神経の安定につながります。

・耳のまわりをやさしくマッサージ
耳介の後ろ（乳様突起）周辺を指で円を描くようにほぐすと、内耳や前庭神経周囲の血流が促されます。

・深呼吸やゆったりした呼吸を意識
呼吸は唯一、自分で調整できる自律神経スイッチ。深い呼吸で迷走神経を刺激し副交感神経を優位にします。

・首を温める
気圧変化で冷えやすい首元を温めることで、筋肉のこわばりと神経の緊張を和らげます。

・水分補給を忘れずに
気圧が下がると血流が滞りやすくなるため、水分摂取で血液粘度を下げ脳と筋肉の循環をサポートします。

・軽いウォーキングやストレッチ
体を優しく動かすことで前庭神経を安定させ、脳へのリズム刺激を与えます。これは特に天気痛体質の方に有効です。

首肩こりと気圧の関係を理解して、根本から整える

首肩こりは「揉めば楽になる」という単純な問題ではありません。
気圧変化という外的要因が、内耳・脳幹・神経・筋肉という一連のシステムに影響し、全身のバランスを崩しているのです。
このため、症状を根本から改善するには、脳と神経の整合（インテグレーション）を取り戻すことが重要です。

リリーフポートでは、筋肉や骨格の調整に加えて、脳・神経・自律神経の反応性を評価しながら施術を行っています。
「天気が悪いと首肩こりがひどくなる」「気圧で頭が重い」と感じる方は、ぜひ一度、神経から整えるアプローチを体験してください。

※効果や体感には個人差があります。