デスクワークによる首肩こりをプロが徹底解説
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デスクワークによる首肩こり|目・神経・脳疲労から考える根本原因
こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格保有)。
「長時間パソコン作業をしていると首や肩がパンパンになる」「休んでも目や頭がスッキリしない」――そんなお悩みを抱えていませんか?
デスクワークによる首肩こりは、単なる姿勢や筋肉の問題だけでなく、目の使い方・脳の疲労・神経系のアンバランスが深く関係しています。今回は、神経生理学的な視点から、首肩こりの真の原因とケア法を解説します。
1. デスクワークと神経系の疲労
長時間のPC作業では、目・脳・姿勢のすべてが連動して働き続けています。特に「視覚情報の処理」を担う後頭葉や、姿勢保持に関与する脳幹・小脳が酷使され、脳全体に過剰な神経負担(神経疲労)が生じます。
神経学的見解によれば、こうした「脳内ネットワークの疲弊」は、前頭前野・小脳・前庭系・視覚系の連携低下を引き起こし、結果として自律神経のバランスを崩すとされています。
このとき、交感神経が過剰に優位になることで、首・肩・背中の筋肉が常に収縮状態に。まるで「脳が緊張を指令し続けている」ような状態です。
2. 目の疲れ(眼精疲労)と首肩こりの神経的つながり
目の動きをコントロールする外眼筋は、脳幹の動眼神経・滑車神経・外転神経によって支配されています。これらの神経は首や肩の筋肉と同じく、延髄・頸髄レベルで密接に連動しており、目の疲れが首肩の緊張へ直結します。
また、ピント調節を司る「毛様体筋」は副交感神経支配で、デスクワークによって交感神経優位な状態が続くと、調節がうまくいかず、常に目や首に力が入ります。
結果として、視覚情報を処理するために脳のエネルギーが過剰消費され、脳疲労→神経過敏→筋緊張という悪循環が生まれます。
3. 脳疲労と姿勢維持の関係
デスクワーク中、頭は平均して約5kgの重さがあります。頭が前に傾く角度が増えるほど、首肩の筋肉への負担は倍増し、脳への血流も低下します。
脳への酸素供給が低下すると、注意力や集中力が落ち、さらに姿勢が崩れてしまう――つまり、姿勢不良が脳疲労を招き、脳疲労がまた姿勢を悪化させるという悪循環です。
特に、視床下部・脳幹・小脳といった「姿勢制御の中枢」が疲弊すると、体幹の安定性が落ち、常に首肩の筋肉でバランスを取るようになります。そのため、どれだけマッサージしても根本的な改善には至らないのです。
4. デスクワークによる首肩こりの特徴
以下のような症状がある場合、神経系や脳疲労が関係している可能性があります。
- 目の奥が重い・かすむ・焦点が合いにくい
- 首肩のこりが常に片側に出る
- 頭痛やめまいを伴う
- 集中力が続かない・イライラしやすい
- 睡眠が浅く、朝スッキリ起きられない
5. 神経系から整えるセルフケア
デスクワークによる首肩こりを根本から改善するには、筋肉を揉むだけでなく「脳と神経のリセット」が重要です。以下の方法を日常に取り入れてみましょう。
① 眼球運動リセット
目を上下・左右・斜めにゆっくり動かし、動かしにくい方向を意識的に伸ばします。これは小脳と前庭の連携を整えるエクササイズで、視覚と姿勢のバランスを改善します。
② ブリージング・リラクゼーション
デスクワーク中は交感神経が優位になりやすいため、「4秒吸って、8秒吐く」深い呼吸で副交感神経を刺激します。特に息を吐く時間を長くすることで、脳幹や迷走神経が活性化し、筋緊張が自然に緩みます。
③ 顎と舌のポジション調整
顎を軽く引き、舌先を上あご(前歯のすぐ後ろ)に添えると、頸椎と頭蓋底のバランスが整います。これにより、首肩の筋負担が軽減し、呼吸もしやすくなります。
④ 1時間ごとの視線リセット
1時間に1回、遠く(5〜10m先)を見ることで、毛様体筋をリラックスさせましょう。さらに、数秒間目を閉じることで視覚中枢の活動を一時的に抑制し、脳疲労を防ぎます。
⑤ 温熱+後頭部リリース
後頭部のうなじ部分を温めると、延髄(自律神経の中枢)の血流が改善します。蒸しタオルやホットパックを使い、1回5分程度温めるのがおすすめです。
6. まとめ
デスクワークによる首肩こりは、筋肉だけでなく「神経の使いすぎ」や「脳の疲労」によって引き起こされる全身性の不調です。
特に視覚・姿勢・自律神経は密接にリンクしており、どこか一箇所が乱れると全体に影響します。
リリーフポートでは、学術的な知見に基づき評価→施術→再評価を重ね、リセット→学習→定着の流れで根本改善を目指します。
そのプロセスを通じて、心身ともに変化を実感し”自分らしい”日常を過ごしていただけるようサポートいたします。
※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。