2025.10.15

デスクワークによる首肩こりをプロが徹底解説

デスクワークによる首肩こりをプロが徹底解説

デスクワークによる首肩こり|目・神経・脳疲労から考える根本原因

こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格保有)。

「長時間パソコン作業をしていると首や肩がパンパンになる」「休んでも目や頭がスッキリしない」――そんなお悩みを抱えていませんか?

デスクワークによる首肩こりは、単なる姿勢や筋肉の問題だけでなく、目の使い方・脳の疲労・神経系のアンバランスが深く関係しています。今回は、神経生理学的な視点から、首肩こりの真の原因とケア法を解説します。

1. デスクワークと神経系の疲労

長時間のPC作業では、目・脳・姿勢のすべてが連動して働き続けています。特に「視覚情報の処理」を担う後頭葉や、姿勢保持に関与する脳幹・小脳が酷使され、脳全体に過剰な神経負担(神経疲労)が生じます。

神経学的見解によれば、こうした「脳内ネットワークの疲弊」は、前頭前野・小脳・前庭系・視覚系の連携低下を引き起こし、結果として自律神経のバランスを崩すとされています。

このとき、交感神経が過剰に優位になることで、首・肩・背中の筋肉が常に収縮状態に。まるで「脳が緊張を指令し続けている」ような状態です。

2. 目の疲れ(眼精疲労)と首肩こりの神経的つながり

目の動きをコントロールする外眼筋は、脳幹の動眼神経・滑車神経・外転神経によって支配されています。これらの神経は首や肩の筋肉と同じく、延髄・頸髄レベルで密接に連動しており、目の疲れが首肩の緊張へ直結します。

また、ピント調節を司る「毛様体筋」は副交感神経支配で、デスクワークによって交感神経優位な状態が続くと、調節がうまくいかず、常に目や首に力が入ります。

結果として、視覚情報を処理するために脳のエネルギーが過剰消費され、脳疲労→神経過敏→筋緊張という悪循環が生まれます。

3. 脳疲労と姿勢維持の関係

デスクワーク中、頭は平均して約5kgの重さがあります。頭が前に傾く角度が増えるほど、首肩の筋肉への負担は倍増し、脳への血流も低下します。

脳への酸素供給が低下すると、注意力や集中力が落ち、さらに姿勢が崩れてしまう――つまり、姿勢不良が脳疲労を招き、脳疲労がまた姿勢を悪化させるという悪循環です。

特に、視床下部・脳幹・小脳といった「姿勢制御の中枢」が疲弊すると、体幹の安定性が落ち、常に首肩の筋肉でバランスを取るようになります。そのため、どれだけマッサージしても根本的な改善には至らないのです。

4. デスクワークによる首肩こりの特徴

以下のような症状がある場合、神経系や脳疲労が関係している可能性があります。

  • 目の奥が重い・かすむ・焦点が合いにくい
  • 首肩のこりが常に片側に出る
  • 頭痛やめまいを伴う
  • 集中力が続かない・イライラしやすい
  • 睡眠が浅く、朝スッキリ起きられない

5. 神経系から整えるセルフケア

デスクワークによる首肩こりを根本から改善するには、筋肉を揉むだけでなく「脳と神経のリセット」が重要です。以下の方法を日常に取り入れてみましょう。

① 眼球運動リセット

目を上下・左右・斜めにゆっくり動かし、動かしにくい方向を意識的に伸ばします。これは小脳と前庭の連携を整えるエクササイズで、視覚と姿勢のバランスを改善します。

② ブリージング・リラクゼーション

デスクワーク中は交感神経が優位になりやすいため、「4秒吸って、8秒吐く」深い呼吸で副交感神経を刺激します。特に息を吐く時間を長くすることで、脳幹や迷走神経が活性化し、筋緊張が自然に緩みます。

③ 顎と舌のポジション調整

顎を軽く引き、舌先を上あご(前歯のすぐ後ろ)に添えると、頸椎と頭蓋底のバランスが整います。これにより、首肩の筋負担が軽減し、呼吸もしやすくなります。

④ 1時間ごとの視線リセット

1時間に1回、遠く(5〜10m先)を見ることで、毛様体筋をリラックスさせましょう。さらに、数秒間目を閉じることで視覚中枢の活動を一時的に抑制し、脳疲労を防ぎます。

⑤ 温熱+後頭部リリース

後頭部のうなじ部分を温めると、延髄(自律神経の中枢)の血流が改善します。蒸しタオルやホットパックを使い、1回5分程度温めるのがおすすめです。

6. まとめ

デスクワークによる首肩こりは、筋肉だけでなく「神経の使いすぎ」や「脳の疲労」によって引き起こされる全身性の不調です。

特に視覚・姿勢・自律神経は密接にリンクしており、どこか一箇所が乱れると全体に影響します。

 

リリーフポートでは、学術的な知見に基づき評価→施術→再評価を重ね、リセット→学習→定着の流れで根本改善を目指します。

そのプロセスを通じて、心身ともに変化を実感し自分らしい日常を過ごしていただけるようサポートいたします。

※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。

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