2025.10.21

睡眠中の呼吸が浅い人は要注意!朝から首肩こりの本当の理由

睡眠中の呼吸が浅い人は要注意!朝から首肩こりの本当の理由

睡眠中の呼吸が浅い人は要注意!朝から首肩こりの本当の理由

こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格者)。

「朝起きると首や肩が重い」「寝ても疲れが取れない」「枕を変えても違和感がある」そんなお悩みはありませんか?

実はそれ、睡眠中の呼吸の浅さが関係している可能性があります。浅い呼吸は単なる“寝方の癖”ではなく、脳幹・神経・姿勢・筋膜など、身体の深いシステムに影響を及ぼしています。

「呼吸が浅い=酸素が足りない」という単純な話ではなく、脳と神経の機能が低下し、首肩こりが慢性化する原因になっているのです。

呼吸の浅さと首肩こりの深い関係

私たちの呼吸をコントロールしているのは脳幹(延髄・橋)にある呼吸中枢です。ここは同時に、血圧や心拍、自律神経の働きも管理しています。 しかし、ストレス・不安・姿勢の崩れ・脳疲労などが重なると、脳幹が過剰に緊張し、呼吸が浅く速くなります。

このとき、横隔膜が十分に動かず、代わりに首や肩の筋肉(斜角筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋)が呼吸を補助します。 つまり“寝ている間も首肩の筋肉が働き続ける”ため、朝起きたときには筋疲労が蓄積しているのです。

この「代償呼吸」が続くと、筋膜の張力バランスも崩れ、頸椎の可動性が低下。 結果として、慢性的な首肩こりや頭痛、さらには顎関節症やめまいにもつながります。

脳と自律神経がつくる“呼吸とこり”の悪循環

呼吸が浅い状態では、脳幹からつながる迷走神経(副交感神経系の中枢神経)が働きにくくなります。 迷走神経は「休息・回復・免疫」の司令塔であり、これが抑制されると体が常に“緊張モード(交感神経優位)”になります。

その結果、血管が収縮し、筋肉の酸素供給が減少。脳への血流も滞り、脳疲労が進行します。 この脳疲労は前頭前野、大脳辺縁系にも波及し、ストレス耐性の低下や睡眠の質の悪化を引き起こします。

つまり、「呼吸の浅さ→神経過緊張→脳疲労→姿勢悪化→首肩こり→さらに呼吸が浅くなる」というループが起こっているのです。

呼吸筋と姿勢の関係|見落とされがちな“横隔膜の働き”

横隔膜は呼吸の主役ですが、同時に姿勢を安定させる深層筋(インナーユニット)の一部でもあります。 横隔膜が硬くなると、肋骨の動きが制限され、胸郭が拡がらなくなります。すると、背部の筋膜(胸腰筋膜・僧帽筋・肩甲挙筋)に過剰な張力がかかり、首肩こりを悪化させます。

また、横隔膜は大腰筋骨盤底筋群とも筋膜で連動しているため、呼吸が浅いと全身のバランスが崩れ、猫背や反り腰などの姿勢異常を助長します。 これもまた、首肩こりの慢性化を生む原因です。

睡眠中の呼吸を浅くする要因

睡眠中に呼吸が浅くなる背景には、いくつかの身体的・神経的要因があります。

  • 顎の噛みしめ・食いしばりによる気道の圧迫
  • 舌の位置異常(舌根沈下)による空気の通りづらさ
  • 自律神経のアンバランス(交感神経過多)
  • ストレスによる脳幹・視床下部の過活動
  • 寝る前のスマホやカフェイン摂取による神経興奮
  • 枕や寝具の高さが合わず、頚椎が圧迫されている

これらの要素が重なると、脳が“酸欠状態”を感知し、睡眠中でも呼吸補助筋を働かせてしまいます。 その結果、朝から首肩の筋肉がガチガチになってしまうのです。

セルフチェック|呼吸と首肩こりの関係サイン

  • 朝起きたときに首・肩・背中が重い
  • 寝ても疲労が抜けない、集中力が落ちる
  • 口呼吸・いびき・歯ぎしりがある
  • 胸やお腹で呼吸を感じにくい
  • 息を深く吸うと苦しく感じる
  • 肩甲骨が硬く、回しにくい

深い睡眠と首肩リセットを導くセルフケア

呼吸を整えるには、「神経」「姿勢」「呼吸筋」の3方向からのアプローチが効果的です。

  • ① 横隔膜リリース
    みぞおちの下を軽く押さえ、深く息を吸いながらお腹を膨らませます。横隔膜が緩み、肋骨の動きが広がります。
  • ② 呼吸のペーシング
    4秒吸って8秒吐くリズムを3分間続けましょう。副交感神経が活性化し、脳幹の興奮が落ち着きます。
  • ③ 胸郭を開くストレッチ
    椅子に座り、両腕を後ろで組んで胸を開きながら深呼吸。胸椎の可動性を上げ、呼吸がスムーズになります。
  • ④ 就寝前の神経クールダウン
    照明を落とし、スマホを避け、腹式呼吸を10回。迷走神経が優位になり、睡眠の質が向上します。
  • ⑤ 顎と舌の位置を意識
    上下の歯を離し、舌を上顎の前歯の裏に軽く触れさせる。気道が広がり、首の緊張も軽減します。

まとめ

睡眠中の呼吸が浅い人は、単なる「寝方の問題」ではなく、脳幹・迷走神経・呼吸筋・筋膜といった全身の連動が崩れているサインです。 呼吸が深まるほど、脳と身体の整合(インテグレーション)は高まり、自然治癒力が再び機能し始めます。

リリーフポートでは、神経生理学と解剖学に基づき、首肩こりの背景にある「呼吸・姿勢・脳の連動性」を再構築する施術を行っています。 「朝から首がつらい」「寝ても疲れが抜けない」そんな方は、ぜひ“呼吸”という根本から身体を整えていきましょう。

※症状が強い場合や体調に異変を感じる場合は、医療機関の受診をおすすめします。

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