2025.10.10

首肩こりと栄養の関係性って?プロが徹底解説

首肩こりと栄養の関係性って?プロが徹底解説

首肩こりと栄養の関係性|食事から整える神経・血流・ホルモンのバランス

こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格保有)。

「マッサージをしてもすぐに戻る」「慢性的な首肩こりがなかなか改善しない」――そんな方の中には、筋肉や姿勢の問題だけでなく、栄養バランスの乱れが根底にあるケースが少なくありません。

筋肉や神経、そしてホルモンの働きは、すべて「栄養」という土台の上に成り立っています。今回は、首肩こりを「体内環境」の視点から紐解き、食事で整えるポイントを解説します。

なぜ栄養が首肩こりと関係するのか?

首や肩の筋肉は、姿勢を支えるだけでなく、脳や自律神経、ホルモン分泌にも密接に関わっています。筋肉を動かすためには、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが必要で、その生成にはビタミンB群やマグネシウム、鉄などの栄養素が不可欠です。

これらが不足すると、エネルギー代謝が滞り、筋肉が酸欠状態になりやすくなります。結果として筋緊張が抜けにくくなり、硬さや痛みを感じやすくなるのです。

また、神経伝達物質の材料も栄養から作られます。セロトニン・ドーパミン・GABAなどの神経物質は、アミノ酸(タンパク質)とビタミンB6・亜鉛などによって合成されます。これらが不足すると、神経の興奮と抑制のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働き、筋肉の緊張が続く状態に陥ります。

首肩こりを悪化させる“隠れ栄養不足”とは

現代の食生活では、摂取カロリーは十分でも「質的な栄養不足」になっている人が多く見られます。特に、以下のような栄養バランスの乱れが、慢性の首肩こりを悪化させます。

  • タンパク質不足:筋肉・酵素・神経伝達物質の原料が足りず、代謝が低下。
  • ビタミンB群の欠乏:エネルギー産生が滞り、筋疲労や神経過敏を引き起こす。
  • 鉄・マグネシウム・亜鉛不足:血流と神経伝達に関与。欠乏すると酸素供給が低下し、首肩の筋肉がこわばる。
  • 水分・ミネラル不足:血液がドロドロになり、代謝老廃物が滞留。筋肉の張りやすさを助長する。

これらの“隠れ欠乏”は、仕事の忙しさや食事の簡略化によって知らず知らずのうちに進行します。そして、疲れが抜けない・頭が重い・眠れないなどの自律神経症状を伴いやすいのが特徴です。

首肩こりと神経・ホルモンの栄養的つながり

首肩の筋肉の深層には、自律神経や脳へつながる神経路(特に迷走神経や交感神経節)が通っています。これらの神経が栄養不足や血流低下によって働きが鈍ると、ホルモンバランスにも影響します。

特に女性では、エストロゲンやプロゲステロンの分泌が栄養状態に大きく左右されます。鉄・タンパク質・ビタミンB6・亜鉛が不足するとホルモン合成が滞り、月経前症候群(PMS)や更年期症状の悪化につながることもあります。

つまり、栄養不足は「筋肉の硬さ」だけでなく、「ホルモンの乱れ・自律神経の不調・ストレス耐性の低下」を引き起こす全身的な問題なのです。

首肩こりを改善するための栄養アプローチ

ここでは、首肩こりを内側から改善するために意識してほしい食事と栄養のポイントを紹介します。

1. 良質なタンパク質を毎食に

筋肉や神経伝達物質、ホルモンの材料となるタンパク質は、最も重要な栄養素の一つです。鶏むね肉・魚・卵・豆腐・納豆・ヨーグルトなどをバランスよく摂り、1日体重×1.2〜1.5gを目安にしましょう。朝食にタンパク質を含めることで、代謝と自律神経のリズムが整いやすくなります。

2. ビタミンB群を意識的に摂取

ビタミンB群は「神経と筋肉の潤滑油」です。エネルギー代謝を促進し、筋肉疲労を防ぐ働きがあります。特にビタミンB1は神経伝達に関わり、B6・B12はホルモン調整や神経修復を助けます。豚肉、卵、玄米、納豆、青魚などを積極的に取り入れましょう。

3. 鉄・マグネシウム・亜鉛の補給

鉄は酸素を運び、マグネシウムは筋肉の収縮と弛緩を調整します。亜鉛は神経伝達物質やホルモンの合成に必須。これらが欠乏すると「酸欠」「筋硬直」「ホルモン乱れ」が起こります。レバー、赤身肉、ナッツ、海藻類、豆類などをバランスよく摂取しましょう。

4. オメガ3脂肪酸で炎症を抑える

首肩こりが長引く背景には「慢性炎症」が潜んでいることがあります。青魚(サバ・イワシ・サンマ)や亜麻仁油、えごま油などに含まれるオメガ3脂肪酸には、炎症を抑える作用があります。週2〜3回の魚料理がおすすめです。

5. 水分+ミネラルをこまめに補給

水分不足は血流を滞らせ、代謝老廃物の排出を妨げます。常温の水や麦茶を1.5〜2Lを目安に摂り、汗をかく季節はナトリウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルも一緒に補いましょう。

6. 腸内環境を整える

腸は「第二の脳」と呼ばれ、セロトニンの約90%が腸で作られています。腸内環境が乱れると、気分の不安定さや自律神経の乱れにつながりやすくなります。発酵食品(納豆・味噌・ヨーグルト)や食物繊維(野菜・海藻・きのこ)を毎日摂ることが大切です。

セルフチェック|栄養バランスが原因かもしれない首肩こり

以下の項目に複数当てはまる場合は、栄養不足や食生活の乱れが関係している可能性があります。

  • 食事の時間や内容が不規則
  • 朝食を抜くことが多い
  • 甘いものやカフェインをよく摂る
  • 生理痛やPMSが重い、もしくは更年期症状が強い
  • 冷えやむくみがある
  • 寝ても疲れが抜けない、イライラしやすい

まとめ

首肩こりは、単なる筋肉疲労ではなく、「栄養・神経・ホルモン・血流」が複雑に絡み合う全身性のサインです。食事の乱れや栄養不足が続くと、筋肉だけでなく自律神経やホルモンバランスにも影響し、慢性的なこりを助長します。

 

リリーフポートでは、学術的な知見に基づき評価→施術→再評価を重ね、リセット→学習→定着の流れで根本改善を目指します。

そのプロセスを通じて、心身ともに変化を実感し自分らしい日常を過ごしていただけるようサポートいたします。

※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。

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