偏頭痛ってなに?そのメカニズムと対策についてプロが徹底解説

偏頭痛のメカニズムと気圧変化との関係|原因とセルフケア
こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格)。
当院には、「頭の片側がズキズキと痛む」「視界にチカチカした光が走る」といった、お悩みを抱えた多くの患者様が来院されます。 偏頭痛は一般的な頭痛の一つですが、そのメカニズムを正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は偏頭痛がどのようにして発生するのか、天気や気圧の変化がどのように影響するのか、さらに改善のためにできるセルフケアについて、専門家の視点から徹底的に解説していきます。
偏頭痛の発生メカニズム
偏頭痛は「なぜ起こるのか?」という点が長年研究されてきました。代表的な仕組みは次の通りです。
- 脳の過敏性(皮質拡延性抑制:CSD)
脳の神経細胞が一気に興奮した後、急に静まる現象で、視界にチカチカした光やギザギザ模様が現れる「前兆」を伴うことがあります。 - 三叉神経血管系の活性化
三叉神経が刺激されると「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」などの炎症性物質が放出され、脳の血管周囲に炎症が起こり痛みを引き起こします。
このように偏頭痛は神経と血管の相互作用によって発生する複雑な現象であり、単なる「血管の拡張」では説明できない点が特徴です。
天気・気圧変化と偏頭痛の関係
「雨の日や低気圧の日に頭痛が起こりやすい」と感じる方は多いはずです。これは偶然ではなく、体内のセンサーと神経の働きによるものです。
- 内耳の気圧センサーの影響
内耳(三半規管や蝸牛)は気圧変化に敏感で、気圧が下がると内リンパ圧が相対的に上昇します。これにより平衡感覚や血流制御に誤作動が起こり、三叉神経核が刺激され頭痛が誘発されます。 - 自律神経バランスの乱れ
低気圧や湿度の変化は視床下部を介して自律神経に影響を及ぼし、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず頭痛につながります。 - 脳血管の反応
外気圧が下がると脳血管は拡張しやすくなり、それが痛みの引き金になります。 - 酸素不足
気圧低下により酸素分圧が下がり、脳が軽い虚血状態となり頭痛を悪化させます。 - セロトニン動態の変化
気圧や日照時間の変化は脳内のセロトニン分泌にも影響し、血管の収縮・拡張リズムが乱れて偏頭痛を誘発します。
つまり、天気や気圧の変化が偏頭痛を悪化させるのは神経・自律神経・血管の複雑な連携が乱れるためなのです。
偏頭痛予防とセルフケアのポイント
偏頭痛を完全に防ぐことは難しいですが、日常生活の中で「発症リスクを下げる工夫」は可能です。特に気圧や気候の影響を受けやすい方は、体調管理を意識的に行うことが大切です。
おすすめのケアのひとつが水分補給です。低気圧時は血流が滞りやすく酸素が届きにくいため、こまめに水分を摂ることで血液循環を助けられます。
ポイントとしては、
- ・一度に大量ではなく、少しずつこまめに飲む
- ・コーヒーや緑茶だけでなく、常温の水や麦茶を選ぶ
- ・汗をかく季節はナトリウムやカリウムなどミネラルも意識する
また、規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動も偏頭痛予防に大きな役割を果たします。特に自律神経を整える習慣を持つことは、発症頻度を下げるうえで非常に効果的です。
偏頭痛だけに関わらず、「気候に適応する体作り」を意識することで、日々の生活はぐっと快適に変わっていきます。
いかがでしたでしょうか?
リリーフポートでは、神経学や解剖学などの学術的知見に基づき施術を行なっております。