2025.10.19

水をあまり飲まない人は要注意!脱水が首肩こりを悪化させる理由

水をあまり飲まない人は要注意!脱水が首肩こりを悪化させる理由

水をあまり飲まない人は要注意!脱水が首肩こりを悪化させる理由

こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格保有)。

「あまり汗をかかないから水分はいらない」「コーヒーやお茶で十分」と思っていませんか?

実は、その何気ない水分不足が、首肩こりや頭の重さ、集中力の低下などの原因になっていることがあります。

脱水は、筋肉だけでなく神経・脳・自律神経の働きに影響を与え、首肩こりを慢性化させる大きな要因です。

今回は、水分と首肩こりの関係を、神経生理学・筋膜・自律神経の視点から専門的に解説していきます。

なぜ脱水が首肩こりを悪化させるのか?

体の約60%を占める水分は、筋肉や神経、血液、脳の機能を維持するために欠かせません。水分が不足すると、血液がドロッと粘度を増し、酸素や栄養素が筋肉や神経に届きにくくなります。

その結果、首や肩の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋・後頭下筋群)に疲労物質が溜まりやすくなり、「こり」や「張り」を感じやすくなるのです。

さらに、脱水は脳の視床下部にも影響します。視床下部は体温や自律神経をコントロールしているため、水分不足により体の恒常性が乱れ、交感神経が優位に。つまり、「緊張・戦闘モード」が続く状態が起き、首肩の筋肉は常に収縮しっぱなしになります。

筋膜・神経伝達と水分の関係

筋膜(fascia)は、筋肉を包み込み、全身をネットワークのようにつなぐ膜組織です。筋膜内は細胞外液で満たされており、適切な水分量があることで筋肉同士が滑らかに動きます。

脱水により筋膜が「乾く」と、摩擦が増して動きが悪くなり、微細な炎症や痛みが起こります。これが首肩こりを慢性化させる大きな要因の一つです。

さらに、神経線維も水に依存しています。神経は電気信号によって情報を伝えていますが、電気の伝わりやすさは水分(イオンバランス)によって左右されます。脱水により神経の伝達速度が低下すると、痛みの信号が過敏になり、「痛みを強く感じやすい状態」=神経過敏が起きるのです。

脳と脱水の関係 〜脳疲労性の首肩こり〜

軽い脱水でも、脳内の血流は約10〜15%低下するといわれています。脳は酸素とブドウ糖の供給が滞ると、すぐに機能低下を起こし、「脳疲労」が始まります。

脳疲労が進むと、視床下部・大脳辺縁系・前頭前野のバランスが乱れ、自律神経がうまく切り替わらなくなります。特に前頭前野の過活動は「考えすぎ・力みすぎ」となり、無意識のうちに首肩を固めてしまうのです。

これは、感情的なストレスによる筋緊張と同じメカニズムで、脱水が“脳を疲れさせる”ことにより、自律神経と筋肉が一緒にこわばる現象です。

つまり、脱水は筋肉の問題ではなく「脳・神経・身体のインテグレーション(整合性)」を乱すことで、首肩こりを引き起こすのです。

電解質(ミネラル)と神経興奮

体の水分はただの「水」ではありません。神経伝達にはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムといった電解質(イオン)が不可欠です。

これらが不足すると、神経細胞の電位が不安定になり、筋肉のけいれん、神経の過敏化、痛みの増幅などが起こります。

特に、マグネシウムは「筋肉を緩めるミネラル」と呼ばれ、不足すると筋緊張が持続します。脱水により体内の電解質バランスが崩れることで、首肩こりが悪化しやすくなるのです。

こんなサインは脱水の警告信号かも

  • 1日を通して水をほとんど飲まない
  • コーヒーやお茶ばかりで喉が乾かない
  • 頭が重い・ボーッとする・集中できない
  • 筋肉がつりやすい・肩が常に重い
  • 朝起きたとき、首が固まっている感じがする
  • 立ちくらみや冷えを感じやすい

これらは、慢性的な軽度脱水と自律神経の乱れが重なっているサインです。

首肩こりを防ぐための水分セルフケア

① 朝一杯の常温水で脳と体を目覚めさせる

睡眠中に体はコップ1杯分の水分を失います。朝起きてすぐ常温の水を飲むことで、血液循環と自律神経のスイッチを穏やかに切り替えられます。

② 1時間に一度、100〜150mlのこまめな水分補給

「喉が渇いた」と感じた時点で、すでに体は脱水傾向です。デスクワーク中は特に乾燥しやすいため、意識的な補給を心がけましょう。

③ カフェインに注意

コーヒーや緑茶は利尿作用があり、体内の水分を排出しやすくします。飲む場合は、水をセットで摂るのがポイントです。

④ ミネラル補給を意識する

マグネシウム・カリウムを多く含む食材(アーモンド、海藻、バナナなど)は、神経の安定に役立ちます。汗をかく日はスポーツドリンクよりも、味噌汁や出汁スープのほうが自然な電解質補給になります。

⑤ 首肩を温めて血流を促す

お風呂に浸かる・ホットタオルを首の後ろに当てるなどで、局所の循環を改善。神経の伝達効率も上がり、筋肉がゆるみやすくなります。

まとめ

首肩こりは「姿勢」や「筋肉の使いすぎ」だけでなく、体内の水分・電解質・神経バランスの乱れが大きく関係しています。

脱水は、血流を滞らせ、筋膜を硬化させ、神経を過敏にし、脳の機能を低下させる――まさに全身のシステムを狂わせる隠れた原因です。

水を飲むことは、体を潤すだけでなく「神経と筋肉の調和=インテグレーション」を取り戻す行為。

リリーフポートでは、脳・神経・筋膜の整合を重視したアプローチで、根本的な首肩こりの改善を目指しています。

「どこに行っても治らない首肩こり」「集中力の低下や頭の重さを感じる」――そんな方は、まず“水分と神経の関係”を見直してみてください。

※症状が強い場合や体調に異変を感じる場合は、医療機関の受診をおすすめします。

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