歩かない習慣が首肩こりをつくる?運動の重要性をプロが徹底解説
“歩かない習慣”が首肩こりをつくる⁉ 運動の重要性をプロが徹底解説
こんにちは。リリーフポートの宮本です(鍼灸師・国家資格保有)。
最近、「デスクワークが増えてから首肩こりが取れない」「動かない日が続くと頭が重くなる」と感じていませんか?
実は、“歩かない習慣”そのものが首肩こりを慢性化させる大きな原因になっています。
首肩こりは筋肉だけの問題ではなく、脳や神経の働きが低下することで起こる「神経的な不調」でもあるのです。
今回は、「なぜ歩かないことで首肩こりが悪化するのか」「歩くことで脳や神経がどう変化するのか」を専門的な視点から解説していきます。
なぜ“歩かない”と首肩こりが悪化するのか?
人間の身体は「動くこと」で全身のバランスを調整しています。特に「歩く」という動作は、単なる脚の運動ではなく、脳全体を刺激し神経回路を活性化する重要な動きです。
歩くと、足裏の感覚刺激が脊髄を通って脳幹や小脳、前庭(平衡感覚を司る部位)に伝わります。これらは姿勢制御に直結し、首・肩・背中の筋肉をバランス良く働かせるよう脳が指令を出しています。
しかし、デスクワークやスマホ操作など「動かない時間」が長くなると、脳への刺激(感覚入力)が減少。結果として、脳が「姿勢を保つ指令」をうまく出せなくなり首肩の筋肉が必要以上に緊張するようになります。
この状態が続くと、肩甲骨まわりや頸椎周囲の筋肉が硬直し血流が滞ることで、さらに首肩こりが悪化。まさに“動かない生活”が「脳→神経→筋肉」の悪循環を生んでしまうのです。
脳と神経からみる首肩こりの仕組み
首肩こりの背後には、神経系の働きの低下があります。特に歩行時に働く以下の3つの神経領域は、首肩の筋肉バランスと深く関係しています。
① 前庭系:平衡感覚を司り、頭の位置と姿勢を一定に保つ働きがあります。歩行による前庭刺激が減ると、姿勢保持が不安定になり首肩の筋肉が無意識に力を入れて支えようとします。
② 小脳:動作の滑らかさを調整し、筋肉のタイミングを整える役割を担います。活動が低下すると、首や肩の動きがぎこちなくなり、筋緊張が高まります。
③ 脳幹・迷走神経:呼吸・心拍・血流などを司り、自律神経バランスに関わります。動かないことで迷走神経が弱まり、交感神経が優位となり、首肩こりが慢性化しやすくなります。
つまり、歩くことは「脳をリセットする神経刺激」であり、歩かないことは脳と筋肉の“通信エラー”を引き起こすのです。
“歩くこと”が首肩こり改善に有効な理由
歩行は全身の感覚入力を同時に使うため、脳内ネットワーク(運動野・感覚野・小脳・前庭系など)を連携させる“全身の再学習”のような動きです。
この過程で、脳が再び姿勢や筋肉の状態を正しく認識し、首肩の緊張を自然に緩めていくことができます。
さらに歩行は、血流・リンパの循環を促し、脳への酸素供給を高めます。これにより、脳疲労や集中力の低下が改善し、首肩こりの根本的な原因である「自律神経の乱れ」も整いやすくなります。
歩行は“筋肉を鍛える運動”ではなく、“脳と神経を整える運動”です。
たとえ短時間でも、毎日歩くことで首肩こりの改善スピードが大きく変わります。
首肩こりを防ぐためのセルフケア
忙しくてもできる簡単な神経活性化ケアをご紹介します。
- 1日20分ほどのウォーキング(できれば朝日を浴びながら)
- デスクワーク中は1時間に1度、立ち上がって軽く歩く
- 足首・股関節を大きく回して末梢神経を刺激する
- 深呼吸を意識して、迷走神経を整える
- 就寝前に肩甲骨を動かす体操をして首肩の血流を改善する
これらは全て“神経入力”を取り戻す行動です。続けることで脳と身体の連携がスムーズになり、首肩こりの起こりにくい身体に変わっていきます。
まとめ
“歩かない習慣”は、脳や神経の働きを鈍らせ姿勢のバランスを崩すことで首肩こりを慢性化させます。
逆に言えば、歩くというシンプルな行動こそが脳と身体の整合性(インテグレーション)を高め、自然治癒力を呼び覚ます最も基本的な方法です。
リリーフポートでは首肩こりを単なる筋肉のこりではなく、神経学・脳科学・自律神経の観点から根本的に評価・改善していきます。
「マッサージでは良くならない」「疲れが取れない首肩こりが続く」という方は、ぜひ一度“脳と神経の再起動”という視点から身体を見直してみてください。