内臓が弱ると首肩こりになりやすい？胃腸と首肩の関係性

こんにちは。リリーフポートの宮本です（鍼灸師・国家資格保有）。

「最近、肩がガチガチに重い」「胃の調子が悪いと首までこる」「なんとなく全身がだるい」そんな経験はありませんか？

実は胃腸の不調と首肩こりには、密接なつながりがあります。それは、筋肉や姿勢だけでは説明できない自律神経と筋膜（ファシア）の関係によるものです。

今回は、なぜ胃腸の疲れが首肩こりを引き起こすのか。その神経的メカニズムと、改善のためのセルフケアについて専門的な視点からお話しします。

胃腸と首肩こりをつなぐ“自律神経”の役割

胃腸は副交感神経（リラックス神経）によってコントロールされています。この副交感神経の中心を担うのが迷走神経です。

その迷走神経は脳幹から出て、首・胸・腹部を通り、心臓や肺、胃腸など多くの内臓を支配しています。つまり、胃腸の状態が迷走神経を介して脳や筋肉に影響を及ぼすということです。

その為、胃腸が疲れて働きが低下すると、迷走神経の活動も乱れ自律神経全体のバランスが崩れます。その結果、交感神経が優位になり首や肩の筋肉が常に緊張し、慢性的な首肩こりへとつながっていきます。

筋膜（ファシア）を通じた“内臓と首肩”のつながり

筋膜は、全身を包み込むように存在する組織で、内臓や筋肉、血管、神経をひとつのネットワークとしてつないでいます。胃や腸などの内臓がストレスを受けると内臓を包む筋膜に緊張が生じ、それが胸郭や頸部の筋膜連鎖を介して首肩に伝わります。

特に、横隔膜と頸部筋群（斜角筋・胸鎖乳突筋）は筋膜的に連動しており、呼吸の浅さや胃腸の緊張が直接首肩こりとして現れやすいのです。

つまり、首肩こりは単なる筋肉疲労ではなく内臓の不調を反映する「体のサイン」でもあります。

ストレス・食生活・姿勢が引き起こす悪循環

現代人はストレスや不規則な食事や長時間のデスクワークなどで、胃腸に大きな負担をかけています。

• ストレス → 交感神経が優位になり胃腸の働きが低下
• 胃腸機能の低下 → 迷走神経の働きが乱れ、首肩の筋緊張が持続
• 前かがみ姿勢 → 内臓が圧迫され、呼吸が浅くなりさらに自律神経が乱れる

このようにして、「胃腸の不調 → 自律神経の乱れ → 首肩こりの悪化」という悪循環が形成されます。

セルフチェックリスト

以下の項目に当てはまる方は、胃腸由来の首肩こりの可能性があります。

• 食後に肩や首が重くなる
• 寝ても肩こりが取れない
• 胃もたれ・膨満感・便秘を感じやすい
• ストレスで胃が痛くなることがある
• 姿勢が悪く、呼吸が浅い
• 慢性的に肩甲骨の間が固い

首肩こりを軽減するセルフケア

内臓と筋肉の関係を考慮したケアが大切です。

内臓と首肩の両方をケア出来る内容となっております。下記項目をぜひ実践してみてください。

• ① 呼吸を整える
  腹式呼吸を意識し、息を吸うときにお腹をふくらませ、吐くときにしぼませます。これにより横隔膜が動き、迷走神経が刺激されて副交感神経が整います。
• ② 食事のリズムを整える
  夜遅い食事や暴飲暴食は避け、1日3食のリズムを守ることで胃腸の負担を減らします。
• ③ 胸郭のストレッチ
  背中を丸めすぎず、胸を開くストレッチを行うと、呼吸が深まり首肩の緊張が和らぎます。
• ④ 温めて血流改善
  お腹と背中を温めることで内臓の血流が改善し、首肩こりの緩和にもつながります。
• ⑤ 睡眠前のリラックスタイム
  照明を落とし、深呼吸や軽いストレッチを行うことで自律神経が整い、翌朝の首肩の軽さに変化を感じやすくなります。

まとめ

首肩こりは、筋肉だけでなく内臓や自律神経の状態を映す鏡でもあります。

胃腸の不調が続くと、迷走神経を通して首肩の筋肉が硬直し、血流や神経の伝達が乱れます。だからこそ、表面的なマッサージだけではなく、内臓の回復や自律神経の安定を意識することが大切です。

リリーフポートでは、神経学・解剖学・生理学の知見に基づき、脳・神経・筋膜・内臓のつながりを考慮した施術を行っています。

「首肩こりがなかなか治らない」「胃腸の不調と肩こりが同時にある」方は、ぜひ一度ご相談ください。

※効果や体感には個人差があり、必要に応じて医療機関の受診をご案内します。